腎臓が悪くなる三大疾患
- 糖尿病
- 慢性腎炎
- 腎硬化症
腎臓の働きが悪くなって透析となった患者さんの、原疾患のほとんどはこの3つです。
慢性腎炎
慢性腎炎は、免疫の異常から、腎臓の糸球体に免疫複合体・抗体・補体などが沈着してきて、徐々に腎臓の機能が悪くなる病気です。また、急性の腎炎の後、免疫の異常をきたして、腎臓の働きが悪くなってしまうこともあります。
治療は、免疫抑制剤やステロイドなどを適切に使います。食事療法が必要な場合もあります。
慢性腎炎は、透析の原疾患の約18%です。かつては透析の原疾患の第1位でしたが、治療の開発がすすみ、透析に至るケースは減少し、糖尿病についで第2位の割合です。
腎硬化症
加齢とともにすすむ動脈硬化から腎臓の機能が悪くなる病気です。高齢化がすすむにつれて増加し、透析の原疾患の第3位となりました。
腎臓は、糸のように細い動脈の玉からできていて、加齢とともに動脈硬化がすすんで、血管が目詰まりし、腎臓の機能はだんだん悪くなってしまいます。
今まで腎臓が悪いなんて言われたことがなかったのという方も多い病気です。
同じく、老化による高血圧の治療と、食事・運動療法、脱水を避けるなど腎臓を守る習慣が大事になります。
糖尿病
糖尿病は透析の原疾患の第1位です。糖尿病は長い年月をかけて腎臓をだんだん悪くします。腎臓を守るためには、糖尿病の適切な治療が必要です。
しかし、すべての糖尿病の方が腎臓が悪くなるのではありません。腎臓を悪くするのでやめたほうがいいことを知って避けることが大事です。
慢性腎不全(保存期)
腎臓の機能がだんだん悪くなってしまった状態を慢性腎不全といいます。
腎臓は余分な水分や老廃物を尿として体の外に出す働きをしています。腎不全になると体内に有害なものや余分な水分が蓄積してしまいます。そのため、人工的に血液から尿毒素や水分をとりのぞくのが人工透析です。
慢性腎不全となってから人工透析にいたるまでの期間を、慢性腎不全の保存期といいます。
病気の進行抑え、人工透析となる時期を出来るだけ遅らせるためには、血圧の厳密な管理と特殊な食事療法、また、症状に合わせた専門的治療が必要です。