平成30年10月31日、11月8日第3回透析災害教室を行いました。
台風21号の被害と対応について

JHATのシャツを着用
高木部長が台風21号による当院の被害とその対応について説明し、患者様からの疑問についてお答えしました。詳しくはこちら。
また、患者様が被害を受けたかどうかなど事前にアンケートで伺いました。
患者様の7割の方が停電・断水・電話遮断、家屋の損壊など被災しました。停電は長い方で1週間続きました。
今回は被災された患者様の心情に十分に寄り添うことができていなかったと反省しています。
今回の経験を今後の災害対策に生かしていきたいと思います。
災害に対するアンケート
① 非常用にあって良かったもの(あれば良かったもの)
② 災害時にうまくいった工夫・知恵 について患者様にアンケートを書いていただきました。
[box class=”box33″ title=”非常用にあって(あれば)よかったもの”]
懐中電灯 5名
電池 5名
非常食 4名
水 3名
車の携帯充電器 2名
ランタン(カンテラ) 2名
防犯灯 2名
ロウソク 2名
ガスコンロ 1名
ラジオ 1名
ヘッドライト 1名
人感センサーライト 1名[/box]
最も多かったのは、懐中電灯などの『灯り』でした。
なかでもヘッドライトやランタン、首からぶら下げる電灯や防犯灯など懐中電灯以外の灯りも複数あればよかったとのことでした。
また、災害時にうまくいった工夫・知恵では、お風呂の湯を翌日入れるまで捨てないでおいておいたところ、トイレの排水に利用できたとか、風で飛びそうなものを家に入れておいた、窓に板を張ったなど風対策をとったかたもいらっしゃいました。
最近は台風の前に家周りの対策をとるかたが少なくなっていたような気がします。これからは自分自身もっかり対策をとらねばと思いました。
皆さまご回答ありがとうございました。
ペットボトルランタン
ペットボトルに水を入れて懐中電灯の光をあてると辺りを照らすランタンのようになります。常國師長が実演しました。
「台風21号で私は3日間停電しましたが、テーブルの上にセットすると食事をする家族の顔がよく見えました。近所の人が停電していないの?と聞きに来るほど明るくなりました。」
備蓄食について
小河原管理栄養師が、備蓄食について講義しました。
災害時に急いで買い物に逝くけれど・・・ なにもない!こんなことなかったでしょうか?
数日間透析を受けられなくても、高カリウム血症や心不全を起こさないように、一人一人があらかじめ食料を用意しておくのも大事です。
[box class=”box32″ title=”備蓄食の選び方”][list class=”ol-circle li-accentbdr acc-bc-before”]
- 加熱、加工が必要ないもの
- 主食とおかずと組み合わせる
- 最低3日分
- 災害時でも食べやすいもの
- 食べなれているもの
[/list][/box]
備蓄食としては長期保存の可能に専用のものもホームセンターなどで購入できます。カロリーメイトもおすすめです。
また、普段食べる缶詰を少し多めに買っておくこともおすすめです。
今回は、サバ缶を向谷助手がカセットコンロとホットプレートで調理して試食しました。
水煮缶をオリーブオイルで少し焦げ目をつけると香ばしい匂いがし、「酒のあてにちょうど良い」などおっしゃっていました。
事務長挨拶
病院のフェンスが吹き飛ばされたとき、私はスタッフとともに道路で拾い集めましたが、今思えば非常に危険な行為であったと思います。
災害時には咄嗟の判断が思ったとおり行かないこともありました。
今後改善策を検討していきたいと思います。
キレンゲ会 泉南新家クリニック 事務長 中野茂光
院長挨拶
今回停電のため当院で透析ができず他院で支援透析となりました。
皆様が整然と指示を待ち透析を受けられたことは驚嘆すべきことです。
私は米国に留学していましたが、米国人なら各々勝手に行動してしまっていたことでしょう。
ご協力大変感謝申し上げます。
非常用電源については早期導入に向けて努力します。
キレンゲ会 泉南新家クリニック 院長 吉野谷定実